旧石器・縄文・弥生・古墳時代 列島創世記[全集 日本の歴史] (全集 日本の歴史)
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旧石器・縄文・弥生・古墳時代 列島創世記[全集 日本の歴史] (全集 日本の歴史)
旧石器・縄文・弥生・古墳時代 列島創世記[全集 日本の歴史] (全集 日本の歴史)/¥ 2,520
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古墳は心に働きかける美的モニュメント
本書の特徴は、今までの歴史全集の時代区分ごとの分冊では描ききれない、旧石器時代から、縄文、弥生、そして文字を基にした統治へ移行する直前の古墳時代までのトータル約1万年を、無文字社会として1巻にまとめ、移動生活からムラそしてクニへと変遷していった歴史を、心理学的視点をも取り入れてダイナミックに描き出している点にある。
なかでも感心したのは、打製石器や縄文土器の説明のなかで、作る「モノ」に「凝り」を盛り込んで、社会的メッセージを表現するのがホモサピエンスの特徴だと指摘したうえで、前方後円墳に代表される古墳は、有力者の墓という、その機能ではなく、人々の心に働きかけることを目的とする美的モニュメントだと述べる箇所だ。著者は人間の内面(精神面)の推察(「認知考古学」と呼ぶらしい)から多くの議論を行っていて、今までに無かったユニークな視点を提供している。いずれにせよ、食料、必需品、特に朝鮮半島からの鉄資源を差配する窓口になった人物や集団に威信が集中することによって、古墳という巨大モニュメントが生み出される過程がよく理解できた。
さらに、なぜ歴史には安定期と変動期が繰り返し現れるのかについて、その最大要因とされる過去の気候変動を概観した後、安定期は(世代を超えた)縦方向の「伝統」が、変動期は(地域を超えた)横方向の「伝播」が活発になるという指摘には感心させられた。そのうえで、安定期の北海道・東日本・近畿・西日本・北九州・南西諸島といった、各地域ごとの文化的独自性を明らかにすると同時に、変動期にかいまみれる、列島全体レベルでの文化的共通性についても触れていて、ローカルな地域・民族的伝統とグローバルな市場経済とがせめぎあう21世紀にも通じる歴史法則を読者に垣間見せてくれる。
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